自民党が提言する「こども保険」という誤魔化し
就学前の幼児教育、保育に充てられるこども保険。
こども保険?
そもそも「保険」の定義って何なのか。
日本の法律には平成22年に商法から独立した保険法というものがある。
保険法の2条には保険契約の定義についてこう書かれている。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 保険契約 保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付(生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約にあっては、金銭の支払に限る。以下「保険給付」という。)を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)を支払うことを約する契約をいう。法令データ提供システムー保険法より引用
分かりやすく既存の保険で説明します。
例えば自動車保険、将来発生するかもしれない事故のために保険に加入する人がお金を出し合い事故が発生したらみんなから集めたお金を使い事故の補償に使う。
例えば医療保険、将来発生するかもしれないケガや病気のために保険に加入する人がお金を出し合いケガや病気になったらみんなから集めたお金を使い治療費に使う。
このように偶発的に起きる出来事に備えるためのものが保険である。
では今回の「こども保険」は偶発的に起きる出来事にあてはまるだろうか。
ちなみに「こども保険」財源は勤労者と事業者の納める社会保険料に当面は0.1%を上乗せして徴収するということだ。
ということは全ての労働者が負担することになる。
20代の若者でも、労働者であれば高齢者も勿論含まれる。
はたして高齢者が子供を授かるだろうか。
明らかに起きない事象に対して払う「こども保険」は自民党の誤魔化しでこれは「こども税」である。
「税」というと印象が悪いので、日本人にとって印象の良い「保険」という言葉を選んだのだろう。
このような誤魔化しは今までにも数々あった。
原住民を現地人と言ったり、護衛艦は英語で言えばdestroyer、日本語に戻せば駆逐艦となる。
さらには憲法9条には陸海空その他の戦力を保持しないと書かれているのに日本には自衛隊が存在している。
このような言葉、制度の誤魔化しのない日本になることを切に願っています。