大手メディアが報じない真実

大手のメディアがあまり報じない事やわかりにくいニュースの用語などの説明をします。

【衆議院選挙翌日】各社の社説比較

 

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台風21号が接近する中で投票・投開票が行われた第48回衆議院選挙。

翌日の新聞各社は今回の選挙を社説でどのように語ったのか?

長い社説を読むのも大変だと思うので要約を読めば何となくわかるようにまとめました。

社説に対して個人的なコメントも載せてます。 

※読売新聞は記事作成時に社説が掲載されていなかったので載せていません。

 

反安倍、反自民の新聞は中身は大体一緒で、

  1. 世論調査では安倍総理の続投は支持されていない。
  2. 野党が不甲斐なかっただけで安倍政権が支持されたとは言えない。
  3. そもそも小選挙区制度に問題があるではないか。 
  4. 今後は強行採決せずに真摯に丁寧に国民・野党と向き合え。
  5. モリカ!モリカケ!

 

朝日新聞

社説

www.asahi.com

政権継続という審判 多様な民意に目を向けよ

衆院選は自民、公明の与党が過半数を大きく超えた。有権者は安倍首相の続投を選んだ。
森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散――。みずから仕掛けた「権力ゲーム」に、首相は勝った。
ただ、政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある。

■選挙結果と違う世論
本紙の直近の世論調査によると、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%。
国会で自民党だけが強い勢力を持つ状況が「よくない」が73%、「よい」は15%。
「今後も自民党中心の政権が続くのがよい」は37%、「自民党以外の政党による政権に代わるのがよい」は36%。
おごりと緩みが見える「1強政治」ではなく、与野党の均衡ある政治を求める。そんな民意の広がりが読み取れる。
ならばなぜ、衆院選自民党は多数を得たのか。死票の多い小選挙区制の特性もあるが、それだけではあるまい。
首相が狙った権力ゲームに権力ゲームで応える。民進党の前原誠司代表と希望の党小池百合子代表の政略優先の姿勢が、最大の理由ではないか。
小池氏の人気を当て込む民進党議員に、小池氏は「排除の論理」を持ち出し、政策的な「踏み絵」を迫った。
それを受け、合流を求める議員たちは民進党が主張してきた政策を覆した。安全保障関連法の撤回や、同法を前提にした改憲への反対などである。
基本政策の一貫性を捨ててまで、生き残りに走る議員たち。その姿に、多くの有権者が不信感を抱いたに違いない。
例えば「消費増税凍結」「原発ゼロ」は本紙の世論調査ではともに55%が支持する。希望の党は双方を公約に掲げたが、同党の政策軽視の姿勢があらわになった以上、いくら訴えても民意をつかめるはずがない。
与党との一対一の対決構図をめざして模索してきた野党共闘も白紙にされた。その結果、野党同士がつぶし合う形になったことも与党を利した。

■筋通す野党への共感
その意味で与党が多数を占めた今回の選挙は、むしろ野党が「負けた」のが実態だろう。
旧民主党政権の挫折から約5年。「政権交代可能な政治」への道半ばで、野党第1党が散り散りに割れたツケは大きい。
与党の圧倒的な数を前に、野党が連携を欠けば政権への監視役は果たせず、政治の緊張感は失われる。その現実を直視し、選挙と国会活動の両面で協力関係を再構築することこそ、野党各党が民意に応える道だ。
留意すべきは、権力ゲームからはじき飛ばされた立憲民主党がなぜ躍進したのかだ。
判官びいきもあろう。そのうえに、民進党の理念・政策や野党共闘を重んじる筋の通し方への共感もあったのではないか。
「上からのトップダウン型の政治か、下からの草の根民主主義か」。枝野幸男代表が訴えた個人尊重と手続き重視の民主主義のあり方は、安倍政権との明確な対立軸になりえよう。
では、首相は手にした数の力で次に何をめざすのか。
自民党は公約に初めて改憲の具体的な項目を明記した。一方で首相は選挙演説で改憲にふれず、北朝鮮情勢やアベノミクスの「成果」を強調した。
経済を前面に掲げ、選挙が終わると正面から訴えなかった特定秘密保護法や安保法、「共謀罪」法を押し通す。首相が繰り返してきた手法だ。今回は改憲に本腰を入れるだろう

白紙委任ではない
だが首相は勘違いをしてはならない。そもそも民主主義における選挙は、勝者への白紙委任を意味しない。過去5年の政権運営がみな信認され、さらなるフリーハンドが与えられたと考えるなら過信にすぎない。
首相の独善的な姿勢は、すでに今回の解散に表れていた。
首相は憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を3カ月も放置した末、あらゆる審議を拒んで冒頭解散に踏み切った。
与党の多数は、そんな憲法と国会をないがしろにした政争の果てに得たものだ。そのことを忘れてはならない。
民意は改憲をめぐっても多様だ。本紙の世論調査では、自民党が公約に記した9条への自衛隊明記に賛成は37%、反対は40%だった。
短兵急な議論は民意の分断を深めかねない。主権者である国民の理解を得つつ、超党派による国会の憲法審査会での十分な議論の積み上げが求められる。
憲法論議の前にまず、選ばれた議員たちがなすべきことがある。森友・加計問題をめぐる国会での真相究明である。
首相の「丁寧な説明」は果たされていない。行政の公正・公平が問われる問題だ。勝ったらリセット、とはいかない。
民意の分断を防ぎ、乗り越える。そんな真摯(しんし)で丁寧な対話や議論が、いまこの国のリーダーには欠かせない。
政権のおごりと緩みを首相みずから率先して正すことが、その第一歩になりうる。

 

要約

モリカケから逃げて大義のない解散をした安倍政権の自公は過半数を大きく超える議席を獲得した。

選挙結果は世論調査とは乖離しており決して安倍総理が続投することを国民が望んで指示したわけではなく、小選挙区制の特性や野党の戦略ミスが原因ではないだろうか。

むしろ与党が勝ったのではなく野党が「負けた」と言った方が正しい。与党の圧倒的な数の前で野党はしっかりと監視役を果たせるのだろうか。

枝野幸男代表率いる立憲民主党の躍進が安倍政権の対立軸となるだろう。

安倍政権では今までも選挙演説では経済を前面に押し出して、蓋を開けると安保法や共謀罪を押し通してきた、今回も同じように演説では触れなかった憲法改正に踏み切るだろう。

未だにモリカケ問題の疑惑が晴れないこともある、真摯で丁寧な対応が国のリーダーに求められる。

コメント

朝日新聞らしくモリカケ問題から逃げた大義なき解散から始まる。国民全員参加の世論調査(選挙)と新聞社が少ない母数で行った世論調査を比較して選挙は民意を反映していないと言い出し、与党が支持されたわけではなく野党が不甲斐なかっただけ。そして最後にモリカケで閉める。

毎日新聞

社説

mainichi.jp

日本の岐路 「安倍1強」継続 おごらず、国民のために

衆院選自民党がほぼ公示前の勢力を維持し、公明党を含む与党で3分の2に達した。
私たちは安倍晋三首相が抜き打ち的に衆院解散を表明して以来、「日本の岐路」と題して、この選挙を論じてきた。
従来にも増して、今回の選挙が日本の分岐点になると考えたからだ。具体的には首相に権力が集中する「安倍1強」を継続させるか否かの選択であった。
そもそも今回の総選挙には、安倍首相が来年秋の自民党総裁選で3選を果たすための実績作りという狙いがこめられていた。
首相が3選されれば、2021年秋まで政権担当が可能になる。第1次政権の1年分を含め、安倍首相の在任期間は憲政史上最長の10年近くに及ぶこともあり得る。
そうした前提のうえで有権者は継続を選んだ。

持続可能な社会保障
勝利した首相にはそれだけのエネルギーが補充されたと考えられる。ただし、首相の役割は特定のイデオロギーへの奉仕ではない。首相はおごることなく、恵まれた政治資源を国民のためにこそ活用すべきだ。
国民生活にとって、今、最も優先されるべきは、少子高齢化と財政危機の下で社会保障制度を持続可能にしてゆくことだ。
25年に団塊世代のすべてが75歳以上となり、大都市圏を中心に介護、医療の需要や財政負担が急増する。同時に若者、子育て支援など全世代型の施策も迫られている。
一方で、国と地方の借金は1000兆円を超す。社会保障の持続と財政再建を両立する「魔法のつえ」などない。給付と負担のバランスの必要を説くことは、強い基盤を持つ政権だからこそ可能なはずだ。
来週発足する第4次内閣にとって喫緊の課題は、北朝鮮危機への対応だ。トランプ米大統領が来月5日に訪日する。日米の連携は重要だが、軍事的圧力に傾斜するトランプ政権に同調して不測の事態を招かぬよう、細心の注意を払う必要がある。
安倍首相の最終目標が憲法改正にあることは疑いの余地がない。
選挙結果を受けて、首相は改憲についても国民の理解が得られたと強弁する可能性がある。
首相は9条に自衛隊の存在を明記したいと訴えてきた。実力組織を憲法にどう位置づけるかという問題提起を私たちは否定していない。
ただし、安全保障法制や特定秘密保護法の時のように性急に憲法を扱ったら、それこそ国の針路を誤らせる。国民に信頼されない改憲作業ほど、危険なことはない。
将来を見据えて、自衛隊の役割を冷静に論じ、広く国民の同意を得ていかなければならない。
憲法の論点は自衛隊に限らない。参議院の役割の見直しも含め、衆参両院の憲法審査会で建設的議論を深めるべきだろう。

緊張感ある国会審議を
着実な成果を上げていくためにはこれまでの「安倍政治」の手法や中身を改め、押しつけ型の政権運営を見直す必要がある。
衆院選中に実施した毎日新聞世論調査では、選挙後も安倍首相が首相を続けることに「よいとは思わない」との回答は47%で、「よいと思う」の37%を上回った。
それでも今回、安倍内閣が信任を得られたのは野党側の事情による。
小池百合子東京都知事が結成した希望の党は一時、与党を脅かす存在になりかけていた。
だが、民進党議員の参加をめぐる露骨な選別が逆風を呼んだ。公約や党内統治のずさんさも露呈し、急に失速した。
他方で小池氏の強引なやり方に反発して民進党の左派リベラル勢力は立憲民主党を結成し、両党は競合関係となった。
政権批判票の分散が、小選挙区制度の下で自民を利した。小池氏の劇場型手法に多くの有権者が不安を抱き、自民党を「よりまし」と判断したのではないか。
行政の公正さが疑われた「森友・加計」問題の解明作業は中断したままだ。首相は選挙での勝利を口実として、過去の問題だと片付けるべきではない。
野党では立憲民主党が公示前勢力を大幅に上回り、躍進した。
「安倍1強」が続く国会の審議を与党ペースにせず、緊張感を作り出すには野党の姿勢がカギを握る。建設的な政策論争を期待したい。

 

要約

公示前の勢力を維持して自公は3分の2を獲得した。今回の選挙は「安倍1強」を継続するかどうかの選挙であった、来年の自民党総裁選で3選を果たせば安倍総理の在任期間は史上最長の約10年となる。

少子高齢化により社会保障の財政負担の増加への対応が優先される。また、国と地方の1000兆円を超す借金とのバランスも考えていかなければいけない。

喫緊の課題である北朝鮮危機への対応においても、軍事的圧力に意欲的なトランプ大統領に同調しないように細心の注意を払う必要がある。

今回の選挙で国民が改憲について意欲的だと勘違いしてはいけない、安全保障法制や特定機密保護法の時のような強行採決ではなく国民の理解の上で行わなければならない。

これまでのような押しつけ型の政権運営を改める必要がある。世論調査では国民は安倍総理の続投を望んでいない。今回の選挙の大勝は野党の不甲斐なさのおかげである。

モリカケの問題も過去のものではない、今後は野党との建設的な政策論争を期待したい。与党ベースにしないためには野党の検討がカギとなる。

コメント

お約束の全体の流れとして「決して安倍政権が支持されたわけではない」を貫いています。資産を見ずに借金1000兆円が悪いかのような報道。また、憲法改正国民投票過半数を取らなければならないので国民の理解が必要となるので強引に通すことなど不可能であるのにまるで暴走して通すかのような書き方がしてある。そして、まだモリカケをやるのか?

東京新聞

社説

www.tokyo-np.co.jp

安倍政権が継続 首相は謙虚に、丁寧に

衆院選結果を受けて、自公両党の連立政権が継続する。安倍晋三首相(自民党総裁)は続投するが、謙虚に、丁寧に国政に当たるべきは言うまでもない。
台風が接近し、雨の中、投票所に向かった有権者も多かったのではないか。離島などでは投票を繰り上げたり、即日開票を断念するなど、悪天候の影響もあった。
期日前投票が過去最高になったのも、天候悪化で投票所に行けない事態に備え、早めに投票したいとの思いもあったことだろう。
先人が勝ち得てきた貴重な選挙権だ。無駄にしてはならない、との熱い思いを感じざるを得ない。

◆国会は全国民の代表
選ばれた議員や、政権を託された政党が、こうした有権者の思いに誠実に応えるのは当然である。
その際、留意すべきは政権を支持しなかった有権者も含めて、政治はすべての国民のために行わなければならない、ということだ。
言うまでもなく、日本国憲法国会議員を「全国民の代表」と定める。自らを支持した有権者だけの代表ではない。このことをまず肝に銘じるべきだろう。
安倍首相が消費税増税分の使途変更と北朝鮮対応のための政権基盤強化を争点に掲げて解散に踏み切った衆院選だった。
自民党は単独で過半数(二百三十三)を超えた。安倍首相は衆院選の勝敗ラインを、公明党の獲得議席を加えた「与党で過半数」としており、選挙結果を見る限り、消費税増税分の使途変更と、「対話」よりも「圧力」に重きを置いた北朝鮮対応は、形の上では有権者に支持されたことにはなる。
とはいえ、自公連立政権を率いる安倍首相が積極的に支持されたと断言するのは早計だろう。
報道各社の世論調査によると、総じて、安倍首相の続投を支持しないと答えた人は、支持すると答えた人を上回る。

◆続投不支持多数だが
今年七月の東京都議選で、自民党は歴史的惨敗を喫した。
このときの敗因には、学校法人「森友」「加計」両学園の問題をめぐる首相自身の不誠実な答弁や「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法成立を強行した強引な国会運営、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報隠しなど、安倍政権のおごりや緩みが挙げられた。
地方自治体の選挙だが、痛手だったのだろう。首相は八月三日、内閣改造後の記者会見で、深々と頭を下げ「さまざまな問題が指摘され、国民の皆さまから大きな不信を招く結果となった。改めて深く反省し、国民の皆さまにおわび申し上げたいと思う」と述べた。
しかし、今回の選挙戦の街頭演説では、森友・加計問題に自ら言及することはなかった。批判ばかりでは何も生み出さない、と言いながら、旧民主党政権時代をくさして、同党に所属していた議員がつくった新たな政党を批判する。
わずか二カ月前、深い反省やおわびを表明した首相の低姿勢は、どこに行ってしまったのか。
安倍首相の続投を支持しない人が多いにもかかわらず、自公両党が過半数議席を得るのは、一選挙区で一人しか当選しない小選挙区制を軸とした現行の選挙制度が影響していることは否めない。
小池百合子東京都知事が慌ただしく「希望の党」を結成し、民進党が事実上分裂して一部が合流する一方、これに反発する枝野幸男官房長官らは「立憲民主党」を立ち上げた。
野党勢力が分散すれば、与党が有利になるのは当然だ。
小池氏の準備不足や民進党の混乱を見越した解散なら、選挙戦略としては巧妙だが、国政全体に責任を負う首相としては誠実とは言えまい。希望の党は当初の見通しよりも勢いが失速したが、立憲民主党の伸長は、安倍政権に対する批判の強さと受け止めるべきだ。
自民党憲法改正を公約の重点項目に初めて掲げたが「改憲派」の各党間にも考え方や優先順位に違いがある。日程ありきで拙速に議論を進めるべきではない。
成長重視のアベノミクスや消費税増税も、支持されたとはいえ選挙戦で問題点も明らかになった。原発依存も同様だ。引き続き、幅広く国民の声に耳を傾け、柔軟な対応に努めるべきである。

◆森友・加計解明続けよ
そして政治に対する信頼の問題である。森友・加計両学園をめぐる問題がすべて解明されたわけではないし、選挙を経たからといって免責されるわけでもない。国会として引き続き解明に全力を挙げるのは当然だ。ましてや野党側がひるむ必要はまったくない。
首相自身、問題の解明に進んで協力し、丁寧な説明に努めるべきである。「謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす」。ほかならぬ、首相自身の言葉である。

 

要約

台風が接近する中行われた選挙、そのこともあり今回は期日前投票が過去最高となった。政治は選ばれた議員や政党だけの為のものではなく全ての国民の為にあり国会議員は「全国民の代表」であることを肝に銘じていただきたい。

消費税増税分の使途変更と北朝鮮危機を争点に挙げて選挙に挑んだ安倍政権自民党過半数を越える233議席を獲得した。勝敗ラインとしていた自公過半数を大きく超えたことから形の上では今回の争点が支持されたと言える。

しかし世論調査では安倍総理の続投を支持しないと答えた人の方が上回っており安倍政権が支持されたとは断言できない。

今年7月の東京都議選ではモリカケ問題や共謀罪などの強行採決などにより歴史的敗退をした安倍政権は大敗後の9月に自身の疑惑の説明不足について深々と謝罪していたが、わずか2カ月であの低姿勢はどこへ行ってしまったのか。

今回自公が過半数を取ったのは小選挙区制の制度の影響もあるだろう。

また今回の選挙で野党勢力はうまくまとまらなかったことも自公大勝の要因ではないだろうか。もし野党が混乱することを見越して今回の解散を宣言したのならば安倍総理は誠実と言えないだろう。

選挙を行ったからといって消滅するわけではないモリカケ問題は解明されたわけではないので野党には全力をあげて追及して頂きたい。

安倍総理には自身の言葉通り今後も謙虚に丁寧な説明を求める。

コメント

朝日新聞と似たようなものなので特に言うことはないが、今回見た新聞で唯一台風と期日前投票に触れている。そして最後にモリカケ。

琉球新報

社説

ryukyushimpo.jp

「オール沖縄」3勝 それでも新基地造るのか
米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を拒否する民意の根強さを改めて証明した。安倍政権が県民の意思を今後も踏みにじることは許されない。

前回2014年の全勝には及ばなかったものの、1~3区で辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が当選、当選確実とした。辺野古新基地を容認する自民党は1議席を獲得したが、3氏は選挙区で落選した。
沖縄選挙区の最大の争点である辺野古新基地建設に反対する民意が上回ったことは、安倍政権の強硬姿勢に県民は決して屈しないとの決意の表れである。
国土面積の0・6%の沖縄に、在日米軍専用施設の70・38%が集中していることはどう考えても異常である。米軍基地を沖縄に押し込めることは、沖縄差別以外の何物でもない。
国は迷惑施設の米軍基地の国内移設を打ち出せば、反対運動が起きると懸念しているにすぎない。それをあたかも普天間飛行場の返還には、辺野古新基地建設が唯一の解決策であるかのように偽装している。県民の多くはそれを見透かしている。
普天間飛行場の一日も早い返還には「辺野古移設が唯一の解決策」とする安倍政権への県民の怒りが選挙結果に表れたといえよう。
安倍政権が民主主義を重んじるならば、沖縄選挙区で自民党は1人しか当選できなかった現実を真摯(しんし)に受け止め、新基地建設を断念するのが筋である。それでも新基地を造るなら安倍首相はこの国のリーダーとして不適格だ。
憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記する。この権利を県民は享受できていない。米軍基地から派生する騒音被害や墜落事故、米軍人・軍属の事件事故が後を絶たないためだ。
それを改善するのが国の務めであり、政治家の果たすべき役割である。だが、安倍政権は明らかに逆行している。
国の移設計画は老朽化した普天間飛行場の代わりに米軍に最新鋭の基地を与えるものでしかない。米軍機は県内全域を飛行し、深夜・早朝にかかわらず訓練する。新基地建設は沖縄の負担強化につながるだけで、負担軽減になることは一切ない。
沖縄選挙区で自民党候補が当選したのは2012年衆院選以来、5年ぶりである。その時は3氏が当選したが、普天間飛行場の県外移設を求めていたことが大きい。
沖縄にとって真の負担軽減とは何か。自民党は沖縄選挙区でなぜ苦戦を強いられているのか、安倍政権は自らに問う必要がある。
自民党候補も沖縄の政治家としての在り方を考えるべきだ。沖縄の将来を見据えて党の政策を変えさせるのか、それとも党の方針に従うのか。政治姿勢が厳しく問われていることを自覚してほしい。

 

要約

今回の沖縄県での選挙は定数4の内自民党候補は沖縄4区の一つだけとなった。これは基地反対の県民の怒りであり安倍政権には屈しないという意思の表れである。

沖縄県に基地が集中していることは異常であり沖縄差別以外の何物でもない。

安倍政権は基地を移設すれば負担は軽減すると主張しているがそのようなウソは県民には見透かされている。むしろ基地を移設することは県民にとって負担増になる。そのことは今回の結果を見れば明らかだ。それでも基地を新設するというのなら安倍総理は国のリーダーとしては不適格だ。

コメント

今回沖縄での選挙は定数4の内自民党の候補は4区の1か所しか取れなかった。〈共産党社民党、今回無所属で出馬した玉城デニー(自由党)の3人。〉基地問題を差別と結び付けて安倍政権を批判している。

産経新聞

社説

www.sankei.com

自公大勝 国難克服への強い支持だ 首相は北対応に全力挙げよ
北朝鮮危機と少子高齢化という、日本に差し迫った国難を乗り越える。安倍晋三首相の呼びかけに、国民は強い支持を与えた。
第48回衆院選で与党の自民、公明両党は大勝し、安定的な勢力を確保したうえで、引き続き政権を運営することになった。
野党側は、選挙を目前に民進党が「分解」したことにより、立憲民主党希望の党などが新たに誕生した。だが、明確な対立軸や危機克服の具体策を示すことなく終わった。政権の受け皿として、大きな支持を得る勢力とはなり得なかった。

≪「9条改正」ためらうな≫
政権基盤を固め直した安倍首相は、自ら掲げた路線の具体化を急がなければならない。その最たるものが、北朝鮮問題である。
選挙期間中に懸念された挑発はなかった。だが、北朝鮮は最近の声明で、米原子力空母への「奇襲攻撃」まで叫んでいる。核・ミサイル戦力を放棄する気はさらさらない。
首相や与党は、対北圧力の強化という外交努力を選挙戦で訴えた。それにとどまらず、万が一、有事になったとしても、国民を守り抜く備えを、急ぎ固めておかなければならない。
11月にはトランプ米大統領が初来日するのをはじめ、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、東アジア首脳会議(EAS)への出席など、重要な外交日程が続く。強硬姿勢を改めない北朝鮮を翻意させるため、さらなる圧力強化も必要になってくる。
日米首脳会談では、自衛隊と米軍の協力や核の傘を含め、日米同盟の抑止力強化に関する具体策を話し合うことが重要である。
韓国にいる日本人や米国人などの外国市民を迅速に避難させる「非戦闘員退避活動」(NEO)や、武装難民への対策も早急に講じることも求められる。
ミサイル防衛の充実にとどまらず、敵基地攻撃能力の導入や防衛予算の増額への政治決断も求めたい。その中には、覇権主義を強める中国への備えも含まれるべきである。
戦後の平和と安全を保ってきたのは、自衛隊と日米同盟の存在である。憲法9条自衛隊の手足をしばり、国民を守る手立てを妨げることに作用してきた。
安全保障の根本には、国民自身の防衛への決意がなければならない。その有力な方法は国民投票によって憲法を改め、自衛隊の存在を明記することだ。抑止力の向上に資するものであり、自民党はさらに国民に強く説くべきだ。
安倍首相と自民党は、憲法改正という公約実現への努力を止めてはならない。与党公明党に協力を促すのはもとより、改正に前向きな姿勢を見せた野党との協議も、加速する必要がある。

≪社保改革の全体像示せ≫
もう一つの国難である少子高齢化についても、対策は待ったなしの状況に追い込まれている。求められるのは、人口が減少する一方、社会の年齢構成が極端に高齢者へと偏ることへの対応だ。
選挙戦で、自民、公明両党は教育や保育の無償化などを強調するばかりで、社会の仕組みをどう作り替えていくのか、全体像を描き切れなかった。
全世代型の社会保障制度を構築するというのも、単なる子供向け予算の加算では許されない。
既存制度の無駄を徹底して排すことが求められる。社会保障・税一体改革の再構築を含むグランドデザインを急ぎ描いてほしい。
無償化論についても、その道筋には明確さに欠けるところが少なくない。
公明党は私立高校授業料の実質無償化まで言い出した。待機児童解消に向けた32万人分の保育の受け皿整備を前倒しする。消費税増税が実現するまでの間、運営費などはどう捻出するのか。
首相は少子高齢化に対処するために消費税増税が必要だと判断した。税率を10%に引き上げるまでの2年間を有効に使い、これに耐えられる力強い経済の実現に全力を挙げなければならない。
足元の景気は回復傾向を強めているが、国民の実感が乏しい点は政権も認めざるを得まい。企業や家計が将来を展望できる成長基盤を、確実に築いてもらいたい。
政府・与党に、選挙の勝利に浮かれているいとまはない。舵(かじ)取りを間違えられない荒海を進んでいるとの認識が常に必要である。

 

要約

日本に差し迫る北朝鮮危機と少子高齢化国難を前面出して戦った衆議院選挙は自公の与党が強い支持を受けて大勝した。今回新たに誕生した立憲民主党希望の党は明確な対立軸を示すことができず政権の受け皿となれず大きな支持を得ることはできなかった。

喫緊の課題である北朝鮮問題、11月には米国トランプ大統領の初来日、APEC首脳会談、東アジア首脳会談など重要な外交日程が続く。米国とはしっかりと話し合い北朝鮮への圧力強化も必要となる。また、有事となれば難民や武装難民への対策も求められる。また、北朝鮮や中国の進行に備えるための防衛予算の増額への政治決断も求められる。

日本を縛ってきた憲法9条も視野に入れつつ国民に強く説いたうえで改正を進めていかなければならない。

少子高齢化についても選挙戦では説明が足りないところがあったが急いで取り掛かって欲しい。

社会保障の為に変更すると公言した消費税率を10%に引き上げるまでの2年間の間に強い経済を実現しなければならない。景気は回復傾向にあるが企業、国民は実感が乏しいところが現実なので将来を展望できる成長基盤を築いてほしい。

選挙には勝ったが浮かれることなく荒海を進む船の舵を取ってもらいたい。

コメント

保守系の新聞というだけあって朝日新聞とは大きく違う。モリカケ問題(問題でもないが)には一切触れず今回の選挙の結果と今後の外交、国防、日本経済を中心に触れている。